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CAS冷凍
世界20カ国以上に特許を持ち、欧米諸国だけでなく、 アフリカや南米からも引く手あまたの革命的な冷凍技術を開発した会社が千葉県にある。 初老の紳士、大和田哲男(おおわだのりお)率いる年商15億円の中小企業、アビーだ。 大和田が15年前に開発したのは、セル・アライブ・システム、通称CAS(キャス)と呼ばれる 冷凍技術。細胞を生きたまま凍結できるという、それまでの常識を覆すものだ。 従来の急速冷凍では、肉や魚を冷凍した際に、細胞に含まれる水分が細胞膜を破壊し、 旨味や水分が抜け出してしまう「ドリップ現象」を避けられなかった。 しかし大和田は、磁気を駆使して急速冷凍することで、解凍しても細胞を壊さず、 「ドリップ」の出ない冷凍方法を開発。しかも鮮度を落とすことなく5年以上もの保存も可能だという。さらにこの冷凍技術は臓器保存などの医学の分野にも応用され、大学などで研究が進められている。 食の流通だけでなく医学の常識も根本から変えてしまうかもしれない、夢の冷凍技術を千葉県の小さな中小企業がなぜ開発することができたのか? また食糧自給率40%と世界的に最低レベルにある日本の第一次産業の未来を、村上龍とともに考える。 世界の常識を覆す冷凍技術とは? 世界からも需要のある冷凍技術は、国内でもじわりと食品の常識を変えつつある。 スーパーのオーケーストアや大手百貨店では、CAS食品の導入がすでに始まっていた。 またマグロ漁船にCAS冷凍機を取り付け、取った直後に凍結し、鮮度を保つシステムも始まっていた。最先端の冷凍技術に迫る。 第一次産業の田舎が変わる! 離島などの流通ハンデを抱えた地方では、農業・漁業などの産物が、鮮度を保ったまま都市に 流通せず、第一次産業が疲弊していた。 大和田はCAS冷凍技術を地方へ持ち込み、全国への流通販路を開拓。 島根県の隠岐島では獲れたての生ガキや白イカを凍結する工場を設立、 すでに東京のすしチェーンへの流通をスタートさせた。町には職場ができたことで活気が蘇り、 さらには町を出た若者も戻り始め、Uターン・Iターン者が、人口の1割以上に達したという。 日本の田舎を変えるテクノロジーの描く未来に迫る。 ≪会社プロフィール≫ 本社:千葉県・我孫子市 従業員45名 年商15億円(2009年) ≪ゲストプロフィール≫ 1944年 東京都・荒川区生まれ。 1966年 父が経営する厨房機器メーカー 大和田製作所に入社。 1989年 独立。アビーインダストリー(現アビー)を設立







